昆虫アレルギーの原因はなんですか

昆虫に刺されたり接触したりして何らかの症状が現れる場合には、たとえば蚊に刺された局所がかゆくなる場合のような直接的な作用によるものと、免疫グロブリンE、抗体を介したアレルギー機序「仕組み」によるものとがあります。後者を総称して昆虫アレルギーといいます。
臨床的に重要なものとして、ハチなどの有刺昆虫による経皮性アレルギーによるものと、チョウやガなどの昆虫成分の吸入によるものとがあります。
人を刺すハチではスズメバチ科のスズメバチ亜科とアシナガバチ亜科、そしてミツバチ科の3種が重要です。これらのハチ毒成分の組成は、各種のアミン、ペプチド、酵素を含む高分子蛋白質からなっていることが共通しています。スズメバチとアシナガバチでは、かなりの抗原共通性があることが知られています。
アトピー素質のある人などがこれにさらされるうちに免疫グロブリンE抗体が形成され、そのあとに刺されて十分量が体内に入ると、激烈な症状を示します。チョウやガなどの昆虫成分も同様で、反復吸入によってロブリンE抗体ができると考えられます。
昆虫アレルギー症状について
花粉症になると鼻、口蓋「口の中の天井にあたる部分」、のどの奥、そして眼がかゆくなります。かゆみは徐々に現れることも突然現れることもあります。さらさらした透明な鼻水が出て鼻が詰まることもあり、小児では鼻づまりから中耳炎になる場合があります。鼻の粘膜が腫れて青みがかった赤色になることもあります。
副鼻腔が完全に詰まって頭痛がする場合もあります。くしゃみもよくある症状です。時にはひどい涙目になって、かゆみが出ます。白眼が充血したり、まぶたが赤くなって腫れたりすることもあります。コンタクトレンズを使用していると眼はいっそうゴロゴロします。
その他の症状には、せき、喘鳴、過敏症があります。また気分が沈んだり、食欲がなくなったり、眠れなくなる場合もあります。症状の程度は季節によって変わります。アレルギー性鼻炎のある人の多くは喘息も発症して喘鳴を起こします。喘息の原因は、アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎を起こすのと同じアレルゲンである可能性があります。
昆虫アレルギーの治療について
ハチの刺傷によるアナフィラキシーの治療は、まず塩酸エピネフリンを皮下注射し、次いで血管確保をして副腎皮質ホルモン薬の静脈注射を行います。緊急処置用のアドレナリン「エピネフリン」の携帯用自己注射製剤「エピペン」があるので、ハチ、アレルギーの既往のある人はアレルギー科で専門医に相談するとよいでしょう。
根本的治療にはアレルゲン免疫療法「減感作療法」が非常に有効率の高い治療で、全身反応の既往があり、皮膚反応やグロブリン抗体陽性の患者さんが適応になります。しかし、国内では健康保険の適応がなく、ごく一部の専門施設で行われている状況です。チョウやガなどの昆虫成分の吸入によるアレルギー性鼻炎、喘息症状に対しては、薬物による対症療法が行われることが多いのですが、対策としては原因を避けることが最善です。
治療には時間と手間がかかりますから、一般的な注意としては、屋外の作業では、長ズボン、長袖シャツ、手袋を着用しましょう。また、明るい色の衣服など、ハチをひきつけるものは身につけないようにするとよいでしょう。昆虫によっては、思いがけない刺激にひきよせられることがあります。それぞれの昆虫の生態をよく調べて注意することがたいせつです。

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